5人のジュンコのあらすじネタバレ感想

wowowの連続ドラマ『5人のジュンコ』全5話を見終えました。

真梨幸子原作の同名ミズテリー小説です。

とはいえ僕は原作も読んでいなければ本の存在すら知りませんでしたが 笑。

あらすじは、文字通り5人のジュンコさんが数奇な運命を辿るというお話。

1人目のジュンコは主演の松雪泰子で、ノンフィクション作家のアシスタント。

最終的には冤罪となった父の罪で、少女時代にマスコミに虐げられた過去を持ちます。

上司で作家はその冤罪本をきっかけに大成し、テレビのコメンテーターなど多忙を極める女性。

2人目のジュンコは小池栄子で、次々と男性を騙し、金を貢がせてから練炭自殺させるという連続殺人の容疑者。

3人目のジュンコはミムラ。

コールセンターに勤務するも、若手女性社員たちのイジメに遭っていて、小池栄子とは中学時代の同級生の過去が。

4人目のジュンコは西田尚美で、旦那の社宅住まいの平凡な主婦。

松雪泰子とは昔の仕事仲間だったが、テレビに映った松雪泰子を見て、10年ぶりに連絡を取ります。

ちなみに旦那は小池栄子に殺された被害者と親戚。

5人目のジュンコは麻生祐未で、スナックの人気ママだったが既に他界し、旦那は痴呆、50歳の兄は失踪、娘(麻生の2役)はゴミ屋敷のような生活を送る汚く浅はかな女。

松雪泰子が小池栄子の過去を調査するうち、他のジュンコや家族なども巻き込まれ、という展開です。

ネタバレすると、中学時代の小池栄子のイジメ被害者と思われていたミムラが、実は簡単に殺人を犯す極悪人でした。

麻生祐未の兄に金を貢がせ殺し、社内イジメの元凶の後輩女性と不倫していた上司を焼死させます。

松雪泰子は暗い過去から引き上げてくれた恩人の女性作家に献身的に尽くすことを生きがいとしていましたが、女性作家が育児ノイローゼから娘を絞殺、松雪泰子は公衆トイレに遺体を遺棄します。

女性作家のために自首しますが、作家が自首に警察署に向かう姿をパトカーの中から見てしまい、絶叫。

エンドクレジットでは拘置所収監中の小池栄子をミムラが面会に訪れ、お互い微笑みながら「久しぶり」と会話を交わしエンディング。

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このドラマ、最終話のエンドクレジットが始まるまでは最高に面白いドラマでした。

まぁ、ミムラが実は悪人ということは途中でわかってしまったり、ジュンコが人によっては大した存在感が無かったり、といった部分もありますが、最後の映像を観るまではハマり込んでしまいました。

また、松雪泰子が決して微笑まず、終始困り顔のような影のある役だったこと、小池栄子の存在感の大きさ、各女優たちの名演というか怪演も大きな見どころでした。

しかし、ホント、最後のシーン、小池栄子とミムラが微笑んで再会して「久しぶり」と言う場面。

あのシーンさえ無ければ、ミムラが根っからの悪人で、不遇な中学時代を送るものの、ミムラに憧れた小池栄子はなおもミムラの子分となっていた、というような解釈で見終えることが出来たのに。

あのシーンのおかげで台無しです。

実は「2人は中学時代からつるんでいた」と仮定するなら、自殺した同級生や小屋の底に隠した写真や手紙などの存在は何の意味があったのでしょうか。

いつか大人になって自分たちの悪行を見つけるヤツをぎゃふんと言わせるために中学時代に仕込んだ罠、とでも言うのでしょうか。

たしか中学時代のクラスメートたちは、2人が仲が良かったと言うものの、核心は言いたがらなかった。

それは同級生の1人がその後自殺したから、という。

小池栄子とミムラのどちらかが不登校になったのなら、クラスメートに聞けばすぐにわかるのに。

などと不毛なことを考えなくてはいけなくなる『5人のジュンコ』。

ホント、最後のシーンさえ無ければ相当な出来栄えと思ったドラマだけに、余計残念です。


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コメント

    • ジュンコ
    • 2016年 5月 11日 3:45pm

    今更ながら観たので感想を検索してきました。

    エンディングの感想が私とはかなり違いました。
    ミムラが小池栄子に憧れていたので
    独占したかったのであり、
    その逆ではありませんよね?(松雪がそう言っていますし。)
    そこが揺らぐと全ての解釈と動機が変わってしまいます。
    ミムラは小池を独占したかったのです。
    女同士は友人にさえ時として嫉妬し、独占したがるものなのです。
    その為にノリちゃんをイジメの犯人に仕立て上げて
    最終的自殺にまで追い詰めたのです。

    最後の面会のシーンは
    ミムラは憧れていた小池より
    今は自分の方が立場が上であること
    (犯罪がばれていないから自由であり、お金もある。)
    を見せつけ、上から目線でいられることに
    余裕のほほえみであり
    小池はもう中学時代の気の弱い性格ではなく
    自分もまたミムラのような悪女になり
    ある意味同等の立場にいると言うことを
    微笑み返すことで表現したのかなと思いました。
    更に今ではどちらが中学時代に本当の悪女だったかを知る
    第三者が居ると言う余裕もあったかもしれません。
    だから最後のシーンは二人の心情を表す為に必要だと思いました。
    (決して仲良しの微笑み合いではなく、女性特有のある意味イヤミの一種です。)

    他愛無い感想ですが、男女ではこの作品の感想も違うのかもしれませんね。

      • wpmaster
      • 2016年 5月 13日 10:29am

      ジュンコさん

      貴重なご意見ありがとうございます。

      なるほど。そう言われてみれば確かにそういう感情による微妙な表現だったのかもしれません。

      僕は基本的に感情移入して見てしまうクセがあって、こういう女性中心のドラマではそれができず、ついつい斜(しゃ)に構えて観てしまう悪いクセも持っています。
      そういった意味でも、こういった意見というか考え方は、非常にありがたく思います。

      今後も気になったことがありましたら、遠慮無く書き込んでくださいね。

      今回のご意見だけ取ってみても、wowowのドラマってやっぱり深みがあって良質なドラマだなぁと改めて感じました。

    • ジュンコ
    • 2016年 5月 17日 11:34pm

    管理人様、こんばんは

    読み返してみると、通りすがりにも関わらず
    イキナリであまり感じのいい文章ではないですね。
    大変失礼しました。
    にも拘わらず、丁寧にお返事いただきましてありがとうございます。

    女性の心情、特に女性特有の裏の気持ちを描いたものは
    男性にはなかなか共感しづらいですよね。
    異性の心理描写を理解するのはお互いにかなり難しいのかもしれません。。
    ですが、それがドラマの面白いところでもあるかもしれないですね。
    現実だと分からないまま過ぎていくだけでしょうし(笑)。

    本当にWOWWOWのドラマは見応えがありますよね!
    製作者の媚びない姿勢と、モノづくりへの喜びや拘りを感じさせてくれると思います。

    それではまた記事のアップを楽しみにしております。

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