ガソリン価格の動向と原油の下落
4月1日発表のガソリン価格が7週ぶりの下落となりました。
理由は原油価格の下落です。
ちょうど3年前の春には、原油価格は1バレル当たり125ドルほどでした。
ところが昨年秋からの大幅下落により、現在は1バレル当たり47ドルほどです。
原油価格は3年前から3分の1近く下落していますが、ガソリン価格はそこまで安くなっていません。
これは、ガソリン価格に占める原油価格が、実はたったの4割ほどです。
後は、税金が4割、流通マージンや経費などが2割となっています。
そのため原油価格が下落しても、ガソリン価格に大きな変動がありません。
また、2012年秋から続く円安が、原油の輸入価格を押し上げていることも要因のひとつです。
1ドル80円だったところが、現在は120円と、1.5倍の円安です。
逆に言えば、原油価格の大幅下落が無かったとすると、ガソリン価格はかなりの上昇となっていたことでしょう。
原油価格は現在、史上最安値近辺をウロウロしています。
しかし、世界的に原油の生産量は一向に収まらず、また、石油消費大国だった中国の景気に陰りが見え始め、これまでほど原油を必要としなくなりました。
そのため、世界的に在庫がどんどん増えています。
アメリカではあと2ヶ月ほどで、備蓄タンクが満杯になってしまうとのウワサも。
これらの流れから、今後はさらに大幅な下落が予想されています。
しかし最近では、イスラム国やイエメン問題などの中東地域における地政学的な事情により、下落が抑えられているとも見て取れます。
このまま中東問題が大きくなると安定した供給ができなくなるかもしれないからです。
在庫はどんどん増えていて原油価格が下落を続けていましたが、イエメン問題によって反発上昇を見せました。
そんなわけで、今後のガソリン価格については、中東で大きな問題が起きなければ徐々に安くなり、中東で戦争でも勃発しようものなら、一気に1リットル200円などになってもおかしくありません。
また、株高円安が続いていく限り、あまり原油安の恩恵が受けられないことも想定されます。
それにしても、日本のガソリンの税金、高すぎですよねぇ。
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