酸素欠乏症は身近にある危険だった
先日、ひょんなことから酸素欠乏に関わる講習会を受講してきました。
まあ、仕事の一環ではあるのですが、IT関係の担当としては、まさかの講習です。
で、酸素欠乏の危険というのは、案外身近に多くあるのだ、ということがわかりました。
報道で稀に、下水道やタンクの中で倒れてしまい、あるいは助けに行った人までもが倒れてしまって息を引き取る、というニュースを聞いたことがあると思います。
そういったニュースの都度、僕は「化学反応で出来た毒ガスのせい」などと勝手に考えていました。
でも実際はほとんどが「酸素欠乏症」だったのです。
僕も含めて多くの人は、呼吸が苦しくなったら逃げ出せばいいじゃん、と軽く考えます。
しかしそれができないんです。
たった一呼吸が出来ないだけで、人間の脳はほとんど活動しなくなります。
息を止める、ということと、酸素が無い、というのは大きな違いなんです。
実際に起きた事故ですが、高さ2mほどのタンクの上部のフタを開けた途端、中の窒素ガスが一気に噴出し、フタを開けた人は一呼吸が出来なかったため気を失い、そのままタンクの中に落ちてしまいました。
タンクの中は空気より重い比重のガスが充満しており、上部のフタを開けただけでは中の空気が入れ替わりません。
助け出そうと中に入った人までも、酸素が無いためすぐに倒れてしまいます。
この結果、最初に落ちた人と、助けに行った人、さらにもう一人助けに行った合計3人の方が亡くなりました。
こうした危険はタンクのような特別な場所とは限りません。
ビルの地下の閉鎖された部屋などでも十分にその危険があります。
冷蔵車の荷台に入った途端、亡くなった方もいます。
マンホールや古い涸れた井戸など、大人でもちょっとした好奇心で入ってしまいそうな場所もです。
ついつい、空気穴があるから酸素欠乏にならない、などと勘違いしてしまいますが、気体の比重によって全く入れ替わらないということも現実にあります。
講習で鑑賞したDVDでは「穴を見たら酸欠だと思え」なんて、ギャグみたいな標語が紹介されてましたけど、ホントにそうなんです。
というわけで、幸運にもこんな僕の記事を読んでくれたあなただけは、身近な酸素欠乏の危険からは一歩遠ざかることができました 笑。
世間話ついでに、周りの人にも教えてあげてくださいね。
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