栗城史多さんエベレストで死去と嘘つき記事と
登山家の栗城史多さんがエベレストで亡くなられました。
8度目の挑戦となったエベレスト登山でしたが、今回も登頂断念となって、下山途中に遺体として発見されたとのこと。
まずは、多くの人に勇気や希望を与えていた方のご冥福をお祈りしたいと思います。
栗城史多さんといえば、指9本を凍傷で失っていること、登山の様子をライブ中継していたことで有名です。
ただ、個人的には、指9本を失う以前からテレビで見かけていたことがありました。
僕は登山の経験も知識もほとんど無いので、当初テレビで取り上げられたときには、なんとなくスゴイ人なんだなぁ、という漠然としたイメージしかもっていませんでした。
その後凍傷の報を聞き、それでも登山を続けることに感銘を受けたものです。
◆多くのプロ登山家が彼に否定的だった
ところが亡くなったニュースを見てからというもの、彼が「嘘つき」で「ショーマン」で「無謀すぎる」という多くの記事を拝見することに。
登山家のプロの方たちの多くが彼の登山に否定的です。
彼が公言し目指していた「エベレスト無酸素単独」、しかも彼が挑戦する西陵や北壁ルートは通常のルートとは全く別物で、世界でも1人か2人の超優秀クライマーでも成功するかどうか、というの超難関ルートでした。
「チャレンジャー」を公言するのであれば、超難関ルートを目指すのは別に構わないと思いますが、彼の場合、超難関ルートを克服するための努力や準備を怠っている、というのがプロ登山家の言い分です。
通常であれば、数ヶ月前から一段低い山で準備し、実際に挑戦する場合にもベースキャンプの高度を上げつつ高度順応していくはずの登山。
ところが栗城史多さんは準備登山もなく、高度順応もほとんどせずに毎回登山を繰り返していました。
そのため、本当は登頂を目指していない、途中で引き返すという「ショー」を繰り返しているだけだ、と。
さらに「単独」についても、本当の登山家が言う「単独」とは大違いで、彼の場合には後方にサポート隊がいたり、先発隊が踏み固めたルートや残していったザイルを使っている、ということにも言及しています。
そして彼に否定的なプロ登山家の方たちはほぼ同じように、彼を取り巻く人達や金ヅルとして広告塔にしている人たちが悪い、と。
◆誰か、ちゃんと検証してほしい
そんなネガティブな情報が亡くなったタイミングで知り得てしまい、個人的にはちょっと困惑しています。
少なくとも「取り巻き(マルチ商法絡みやムリな講演スケジュールを組み込んだ)」という人たちは、何の同情も感じません。
しかし、彼自身がどこまで純粋に登山を目指していたのか、純粋な夢を彼らに悪用されたのか、あるいは彼も一緒になって金儲けを楽しんでいたのか、真相はわかりません。
ただ、願わくば、プロ登山家が無謀と評する「大言壮語」でスター扱い報道されるのは一視聴者としても迷惑です。
なぜ栗城史多さんが事情を知らない多くの世間の人たちからスター扱いされたのか、今後、無謀な登山が繰り返されないためにどうすればいいのか、きちんと検証してほしいなぁと思います。
追悼するだけだった気持ちが、なんだか色々と複雑な感情となってしまいました。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。