イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のあらすじネタバレ感想
映画『イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を録画鑑賞しました。
昨年のアカデミー賞において多くの部門で候補にあがりながら、脚色賞のみの受賞となってしまった作品です。
過去、エニグマに関する映画は何本か視聴したのですが、今回はどんな内容なのだろう、と楽しみに見始めました。
あらすじは、第二次大戦のドイツの暗号エニグマの解読に成功した数学者の物語です。
ベネディクト・カンバーバッチ演じる数学者のアラン・チューニングが警察に拘束、尋問されるシーンから始まります。
尋問のシーンから回顧が始まり、第二次大戦を終えるまでまで語られていきます。
学生時代に暗号解読に興味を持った彼は、開戦後、イギリス軍の暗号解読部隊に入隊しますが、5名ぐらいのそのチームで彼は一人浮いてしまう存在に。
お金の面で軍から見放されるとチャーチル首相に手紙を送り、金の工面に成功、さらにチームの責任者に命ぜられます。
新聞紙上に難解なパズルを掲載、合格者をチームに編入しようとし、美人女性が見事合格。
しかし、暗号解読機は未完成のままとなり、軍から解雇されそうになりますが、それまで敬遠がちだった仲間たちが彼を擁護するように。
彼の研究への情熱が仲間からの目を変えたわけです。
そして、ついに暗号解読機が完成します。
美人助手との結婚も決まります。
とはいえ彼は同性愛者ゆえ、悩みの種にもあるんですけど。
色んな幸せは長く続きません。
暗号解読成功がドイツにバレてしまえば、別の暗号に切り替えられてしまうことに気づいたのです。
そんなわけで、仲間の家族が乗船している船が撃墜の標的になったことが判明しても、大戦の勝利のため黙殺するしかありませんでした。
あるとき、仲間の一人がソ連のスパイであることを知ってしまいます。
そのスパイからはバラせば彼が同性愛者であることを逆にバラすと脅迫されます。
MI6の諜報員にそのことを告げますが、MI6は既に知っており、ソ連に情報を流すことが勝利に繋がる、と考えていたのでした。
妻の身に危険が迫っていることで、自分は同性愛者であることを告白し、田舎に避難するよう指示するのでした。
終戦を向かえ、解読チームは解散。
拠点に火を付け、すべての証拠を燃やします。
彼らは一度も会ったことがなく、これからも会うことはない、と軍から指示を受けます。
そして冒頭の警察のシーンに。
彼が拘束されたのは、当時違法とされていた同性愛の罪でした。
刑務所行きか医学的去勢を迫られ、クスリによる去勢を選択します。
心身ともに衰弱した彼を訪問する元妻。
彼を一生懸命励まします。
しかしその3年後、41歳の若さで自殺しました。
字幕となって、これまで彼の功績が認められていなかったこと、イギリス政府が正式に謝罪したこと、彼が作った暗号解読機は現在のコンピュータの基礎となったことなどが表示されます。
深くて悲しい物語でした。
見始める前には、アラン・チューリングを主役とした話しであることは知っていたのですが、エニグマに関してのことなどより、圧倒的にチューリングの物語となっていました。
そして、その人生は決して華やかなものではなく、ほとんど悲劇といっていいほどの哀しい出来事ばかりだったことがわかります。
それも、生涯を終えてもなお賞賛されることなく、闇に葬られてきたことを思えば、辛い人生だっただろうなぁ、と。
今こうしてキーボードをぱたぱたと叩いてブロクを書いてるわけですけど、このPCですらチューリングがいなかったら無かったことを考えると、ホント偉大なことを成し遂げたんだなぁと感謝せずにはいられません。
『イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』、色々と考えさせられ、良質な作品だと思います。
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