ルームのあらすじネタバレ感想
映画『ルーム』を鑑賞しました。
アカデミー賞ではブリー・ラーソンが主演女優賞を獲得し、作品賞や監督賞にもノミネートされた作品です。
監禁された女性は暴力や性的暴行の対象で、監禁部屋で出産、子育てをしていました。
実際の事件は7人の子供を産み、1人流産、しかも24年間に渡る猟奇的事件ですが、原作となった小説ではかなり矮小化されていて、その映画版です。
あらすじは、長年の監禁部屋から解放され自立していく親子のお話。
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しかし二人は8畳ほどの部屋で外に出られない監禁生活を送っていました。
少年はテレビでのみ、外の世界を見ることができ、全てはテレビの向こう側の世界です。
辛い状況でも二人は明るく振る舞い、料理や運動など笑顔が絶えない生活でした。
ある夜、母親は少年をクローゼットに匿い、入室してきた男と会話。
彼こそ監禁そいている張本人です。
週に一度、「日曜日の差し入れ」と呼ばれ、食料などを持ち込む日でした。
男は、少年を見せろと要求しますが、母は頑なに拒むのでした。
別の夜、母は食料を要求しますが、男は半年前に失業していたことを告げ、怒り狂います。
男は少年に近付こうとしますが、母は男をベッドに誘い、少年から気を逸らせました。
何としても息子を外に出してあげたい母。
乏しい食料に、電気も止められることが多くなり、凍死するかもしれず、脱出を考えるように。
以前、脱出を試みたものの、反撃を喰らって失敗に終わったことがあります。
母の考え出した作戦は、少年がひどい風邪になり病院に連れていってもらい、隙きをついて逃走させる、という案でしたが、男は「薬を買ってくる」の一点張りで失敗。
しかし翌日、少年がそのまま死んでしまったこととし、遺体処分のためにクルマで移動中に逃走させる、という方法を実践します。
少年を絨毯で丸め、男は遺体と思い込み、ピックアップトラックの荷台に乗せ、移動を始めます。
助けを求める紙を持った少年は、信号待ちのタイミングで荷台から逃げ出しますが、男に気づかれてしまい捕まりそうになるも、散歩中の老人の存在により少年を置き去りにして男は逃走。
警察が現れるも、なかなか口を聞こうとしない少年。
断片的な話と目撃情報から、警察は少年の住まいを特定し、無事に母も救出、涙で抱き合うのでした。
目覚めると病院のベッドの上。
母親の両親が迎えにきて、その家で生活することに。
しかし二人は離婚しており、母親は別の男性と再婚しています。
救出された娘とその子供を直視できない祖父は、その家を後にし、祖母と現在の旦那が二人の面倒を見ることに。
家の周りはマスコミでいっぱいに。
決意した母はインタビューを受けますが、一人になりたくないため息子を離さなかった、執拗に少年の父親について聞いてくる、などのせいで、鬱になってしまいます。
そして、薬を飲んで自殺を図ってしまい、入院生活に。
引き篭もって会話をしない少年でしたが、次第に祖父母に心を開くように。
友達ができ、一緒にサッカーで遊ぶほどまで。
退院してきた母は元気になった少年と再会。
すると少年は「あの部屋に行ってみたい」と。
訪れた「部屋」は朽ち果てていました。
部屋が小さくなったと言って、家具や家財道具などにお別れを言う少年。
二人は部屋を後にすると、外は雪がちらついていて、エンディング。
さすがはアカデミー賞候補の作品ですね。
とても良質な映画です。
猟奇的な監禁事件を、描き方ひとつで全く別な映画に仕上げています。
一番の感想は、ブリー・ラーソンが主演女優賞なら子役の少年こそ主演男優賞だろ、と思いたくなるほど少年役の演技が素晴らしかったこと。
天才子役と呼ばれた人たちが、悲劇的な人生になってしまうことが多いので、なんとか大成してもらいたいというヘンな親心を感じてしまいます 笑。
ただ、原作の基となった実在の事件では監禁男が実父だったことを知っていたので、映画では監禁男はただの誘拐犯と知るまではちょっと混乱してしまいました。
何の予備知識もないほうがずっと楽しめたはずです。
オープニングから、母が少年に言い聞かせる屋外の世界のこと、世界を知らない少年のつぶやきなど、一緒になって考えさせられたことでしょう。
『ルーム』、とても良い映画を観せてくれて感謝したいほど、良い映画だったと思います。
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