チョコレートのあらすじネタバレ感想
ハル・ベリー主演『チョコレート』を鑑賞しました。
この作品で彼女は白人以外で初のアカデミー主演女優賞を受賞しました。
2001年の映画なんですが、ハル・ベリーがほとんど今と変わってないというのも驚きでした。
1966年生まれなので今年で49歳にもなるんですね。
ちなみにハル・ベリーはwowowで放送される『エクソタント』というスピルバーグ総指揮、真田広之も出演するドラマの主演を務めることで、『チョコレート』が放送されました。
原題は『Monster’s Ball』で、死刑執行前に看守達が行う宴会を指す「怪物の舞踏会」という意味なんだそう。
全然違いますね。
あらすじは、死刑囚の夫と過食症の息子を持ち、極貧生活を送る妻。
夫は死刑執行されてしまう。
その執行人を務めたのが、ビリー・ボブ・ソーントンとヒース・レジャー演じる親子。
その親子は祖父を含め、黒人を嫌う一家。
ヒース・レジャーは死刑執行で気分悪くなり、父から罵倒されていまい、父の目の前で短銃自殺してしまう。
夫を亡くしたハル・ベリーは、今度は息子が発作を起こし、道端で倒れてしまう。
通りかかったのはビリー・ボブ・ソーントン。
病院に倒れた息子を病院に運ぶが、息子も死んでしまう。
悲しい現実の中、二人はお互い惹かれ合い、男女の仲に。
ハル・ベリーがソーントン宅に訪れた時、黒人嫌いの祖父から中傷され、別れを決断。
彼女を諦められないソーントンは、父を施設に預け、彼女と暮らすことを選択。
同居を始める二人だったが、ハル・ベリーは亡き夫が書いたソーントンの似顔絵を発見し、彼が執行人であったことを悟る。
自宅のデッキで星を眺めながら二人でアイスクリームを頬張り、「僕らはきっとうまくいくだろう」と語るソーントンに微笑みを返したところでエンディング。
なんというか、大いなる絶望と小さな希望、という感じしょうか。
決して「ハートフル」なわけでもなくハッピーエンディングでもない、でも微かな光が見えて終わるという、どちらかといえば「重い」映画です。
形は違えど息子を失った境遇、片や夫が死刑となり、片や父を施設に入れる別れ。
極貧生活と黒人を嫌う一家という、アメリカの闇。
様々な問題が取り上げられている映画です。
エンディングでは、観る者の心に判断を委ねているわけですね。
元夫の生命を直接奪った死刑執行人と理解したうえで、二人の未来を朴訥と、でも希望に満ちた言葉で語る男に対し、微笑み返す。
この微笑みの意味するところ、が受け止める側で変わってきます。
僕は純粋に「それでもこの人なんだ」と思ったと受け止めたわけですが。
観る人たちの、そのときの環境や心情で、受け止め方も変わることでしょう。
また何年か後に観て、最後のシーンをどういう風に受け止めるのか、それはそれでちょっと楽しみです。
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