オウムは今も生きている(テレビ東京)の番組内容と感想
テレビ東京の特番『報道スクーププロジェクト オウムは今も生きている』を観ました。
3月20日の地下鉄サリン事件が丸20年にもなるんですね。
最近ではテレビ朝日がオウム真理教を取り上げましたが、何年経っても未だに『闇』の多い事件です。
個人的に非常に忘れがたい事件だったので、こうした特番があるたびに見入ってしまいます。
今回の番組では、新たな事実がいくつか明らかになりました。
これまでオウム真理教が武装集団に変化していったのは、1990年の衆議院選挙での25名全員落選という大惨敗がきっかけとされてきましたが、実際には87年の段階から「ポア」という教言が教義が始まっていたこと。
この87年にヨガ団体としてのオウム神仙の会からオウム真理教へと改称するわけですが、改称前からすでに「ポア」の教義が始まっていました。
また、教団幹部であった村岡達子や新実智光の妻といった、これまで画面に登場することがなかった人物の登場も目を引きました。
さらに、麻原彰晃は逮捕後も獄中から指示を出していたこと。
その教えに従って、今でもアレフが活動を続けていること。
そして最後の緊急スクープ、逮捕直後には麻原彰晃が自供していたことなど、かなり内容の濃い番組であったと思います。
村岡達子、新実智光は現在でも麻原彰晃に傾倒していること。
村岡達子はアレフ内での権力闘争に破れ、教団から脱退したものの、新実智光に至っては獄中指示に従って現在でも獄中で修行を実践しているとのこと。
テレビ朝日のときと同様、上祐史浩と野田成人も出演しました。
今回は僅かな時間しか登場しませんでしたけど。
見終えての感想は、20年前と何ら変わってないんだな、と。
変わってないというのは、社会と個人の乖離というか、経済社会に対するそれに乗りきれない若者、といった構図のこと。
20年前はバブルに浮かれる社会の中、何かが違う、とオウム真理教の精神世界に飛び込んでいく若者という構図でした。
現在は、将来に希望を見出せない社会から精神世界に飛び込んでいく若者。
当時との違いは、サリン事件を引き起こした麻原彰晃、と知った上での入信ということ。
もちろん、20年前の事件なので実体験はともかく、ナマで報道を見た世代ではありません。
逆に言えば、極悪非道を犯したからこそ、一部の人たちからある種のカリスマ性が高まったといえるのかもしれません。
現在でも麻原彰晃が収監されている東京拘置所の周辺をうろつく信者が絶えないのは、その歪んだ信仰心の現れなのでしょう。
社会と個人の乖離、については上祐史浩も野田成人もブログで同じような意見を述べています。
過去の教団の多くの信者が東大などエリート組が多かったのも、社会に対する疑問の回答の追求が行き過ぎての入信だったのでしょう。
頭が良すぎたために、回答が欲しかった、のではないでしょうか。
今回の番組からの警鐘は、獄中指示にあった長男と次男を教祖にしろ、とのこと。
指示直後に教祖にしたものの、当時はまだ未成年ということもあり、いったんは表舞台から姿を消しました。
しかし今月、次男が成人を迎えるとのこと。
アレフでは盛大な生誕祭を執り行う予定で、アレフの麻原帰依がより強まるだろう、ということでした。
現在でも「救済」と言葉を替えていますが、ハルマゲドンを起こそうとしているのは明らかです。
公安は年20回程度の立ち入りなどではなく、張り付き状態で監視にあたってほしいものです。
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