残業代ゼロ法案のワナと闇
通称「残業代ゼロ」法案が閣議決定され、来年4月からの施行を目指すこととなりました。
「残業代ゼロ」と言われ、かなり深刻な事態に陥るのでは、と慌てる方もおられますが、「今のところ」は大丈夫です。
今回の「残業代ゼロ」になる対象者は
- 年収1075万円以上
- 金融商品の開発や市場分析、研究開発担当者
に限定されています。
まあ、この辺りはニュース番組などで詳しく触れることになると思うのでチェックしてみてください。
たぶん、上記2つの条件を出して、「今スグ残業代ゼロになる人は極わずかでしょう」なんてコメントされると思われます。
年収1千万円以上の人で、もともと残業代が支払われているサラリーマンなんてほとんどいないのではないのでしょうか。
実際に国税庁の調査では、2014年のデータで1000万円以上はわずか3.9%となっています。
今回、わざわざ3.9%の、しかも業種を絞って対象人口を限りなく減らしたのは、日本政府と経済連などの大企業経営陣の悪知恵であり、それこそがワナと闇なんです。
今回の閣議決定と報道で、残業代ゼロと言いつつ自分は関係無い、と多くの国民に知らしめることこそ、今回の狙いです。
一度、この「幹」となる法案が通ってしまえば、どんどん「枝葉」が付け加えられていくだけなのです。
消費税にしても、お酒の税金にしても、これまでどんどん税率アップがなされてきました。
今回の残業代ゼロ法案も、今後は対象年収は引き下げられ、業種も拡大する一方となります。
何年か後には年収300万円以上の労働者が対象、なんてことになるのでしょう。
経済連などの大企業経営者たちの願いである「残業代を払いたくない」という要望が与党を動かしたわけですね。
平均賃金を下げてしまうと国際経済的に批判を浴び、景気ダウンを認めた格好となるため、「残業代」に注目を当てたわけです。
「社員の生活」とか「社員の満足度」とか謳っている大企業こそ、実は会社そのものの存続が最も重要だということがわかります。
今回が、何年か後には、「日本総ブラック企業」なんてことになる第一歩なんですね。
これが今回の「残業代ゼロ法案閣議決定」のワナでもあり闇の部分となるわけです。
この法案可決を望む人たちは、もともと残業代をもらってない、超高給取りの経営陣と政治家たちですから、そりゃ簡単に可決されます 笑。
もちろん、官僚もずっと対象外なんでしょうね 笑。
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