チャイナシンドロームのあらすじネタバレ感想

言わずと知れた原発への警鐘を鳴らした映画です。

タイトルのチャイナ(中国)はまったくもって関係ありません。

1979年の映画なので、もう36年も経つんですね。

そりゃマイケル・ダグラスも若いわけです 笑。

ちなみにアメリカでは、この映画公開の直後にスリーマイル島原発事故が発生したそうで、陰謀説すら流れたほどなんだとか。

それを言ったら、福島第一原発事故だって、ほとんど映画のシナリオに近い状態だと思うんですけど。

 

あらすじは、ジェーン・フォンダ演じる地方のテレビ局の女子アナが原発を取材に。

その最中に事故が起きるも、一応は解決したことに。

しかし、事故時に隠し撮りしていた映像を専門家に見せたところ、大事故の一歩手前だったことが判明。

制御室長の機転もあって、ぎりぎりのところで防げた大事故。

制御室長は独自に原因調査に乗り出し、不正の重大な証拠を見つける。

しかし原発を停止したくない「原子力ムラ」の人たちから生命を狙われることに。

最後の手段で制御室長は、制御室に立て篭もりを図り、生放送で全てを打ち明けることを決心。

しかし、中継中に会社側が突入を図り、射殺されてしまう。

事故後、室長を悪者に事態の沈静化を図る会社側であったが、制御室で働く部下が真実を明かし、中継がCMに入ったところでエンディング。

「チィナシンドローム」というのは、溶け出た核燃料が地球を突き破ってアメリカの反対側、中国まで突き抜ける、という大惨事を表す造語です。

 

36年も前に作られた映画に、突きつけられた問題の本質は、現実で何も変わっていません。

安全は二の次でカネが一番、という風潮。

カネのためなら人の生命を簡単に奪う、という体制側。

まさしく昔からの、そして今の日本ですね。

映画では、良心に耐えかねた部下が最後の最後に体制側を裏切って告発をする、というシーンで終わっています。

でも、ここでエンディングではなく、映画がまだ続くようであれば、部下も室長同様殺されてしまう、という堂々巡りなのではないでしょうか。

 

奇しくも先ごろ、高浜原発再稼働差し止めの判決が下されました。

それでも国や関西電力は、再稼働に向けて「差し止めの差し止め」を目指すそうな。

政府が自画自賛する「世界一の安全基準」だって、実は抜け穴だらけで、原子力安全委員会だって「ゼッタイに安全とは言いません」と発言しています。

どれだけ高い防潮堤を作っても「想定外」の津波が来たらそれまで。

というか、福島第一原発事故は津波のせいではなく地震のせいなのに、原子力ムラの人たちがそれを隠して津波が原因であると仕向けています。

今年は震災以来となる「原発ゼロの夏」となります。

原発ゼロで生活できるんだから、やっぱり原発は不要だと思うんですけど。


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