東京難民のあらすじネタバレと感想

けっこう久しぶりに見応えのある邦画でした。

『東京難民』、もう少しタイトルを工夫すれば良かったのに、と思わなくもないですけど。

 

あらすじは、ごくフツーの大学生が、仕送りしていた親が失踪したことから大学を除籍、アパートを追い出されることから転落人生が始まります。

ティッシュ配りのバイト、ネットカフェ難民、治験のバイトとなんとか食いつなぐも、つまらない理由で逮捕され釈放後の失意のときにルイという女のコに声を掛けられ、勢いでホストクラブに。

目が覚めると高額な請求で、そのままホストクラブに就職。

アカネという看護婦の客に見初められ、純愛な仲に。

しかし、先輩社員の借金トラブルに巻き込まれます。

先輩社員はアカネの彼氏で、彼女の借金のツケを支払うハメに。

ところがその金を別の先輩が持ち逃げ、経営するヤクザの命令で彼女をソープに売ることに。

ソープに売る直前、主人公も含め先輩とその彼女は3人で逃げます。

捜索のほとぼりが冷めるまでとの期限で彼女は秋田の実家に、2人はツテを頼って住み込みの土木作業員に。

何ヶ月か後、先輩が彼女の実家に向かうため会社を去ろうとしたそのとき、ヤクザに見つかります。

アカネからの情報でした。

持ち逃げした先輩も捕まっており、肝臓もやられ動けず、生命保険目当てになぶり殺し状態でした。

一緒に逃げた先輩は一思いに殺すよう命令されますが、できません。

先輩は中国で運び屋になるとの条件でヤクザの了承を得、それを止めようとした主人公はボコボコにされ、河原に放置。

ホームレスに助けられ、ともに生活を始め、結局はソープに売られたアカネに会いに行き、失踪した親を探しにホームレスを後にする、というストーリーです。

長い 笑。

 

なんだかドキュメンタリーを見ているようでした。

一瞬で転落する人生、やり直しが効かず、ほとんどはカネで解決する社会。

大学も不動産業者も警察も社会システムの中では義理も情もない。

一方で、ホスト仲間、日雇い土木、ホームレスの人たちの暖かさ。

妙に考えさせられました。

ちまたでは「最初のアパート追い出しの時点で行政に訴えれば助かっていた」などの声もありますが、じゃあ訴えが遅かったらどうにもならない、ということも表した映画であると思います。

 

配役的にはアカネ役を演じた大塚千弘が気に入りました。

まさしく「体当たりの演技」です。

本場のアカデミー賞だったらこういう役の女優がノミネートされるんですけどねぇ。

ひょっとすると満島ひかりのような女優になるかもしれないので、今後注目していきたいと思います。

それにしても、なんだか作り手の思惑通り、考えさせられた秀逸な映画です。


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