騎士団長殺しのあらすじネタバレ感想
村上春樹の『騎士団長殺し』を読了しました。
これまで村上春樹モノの全ての長編小説と短編小説、多くのエッセイなどを読んできました。
とはいえ、ハルキストと呼ばれるほど深く読み込んでいたり、傾倒しているわけではありません 笑。
この先は、完全なネタバレ感想となるので、読み終えていない方はご注意ください。
南京事件「証拠写真」を検証する
あらすじは、離婚した画家がかつての大画家が描いた絵を発見したことから始まる村上春樹ワールド。
妻から突然離婚を言い出された画家の主人公は東北地方や北海道をあてもなく旅し、大画家の息子で美大時代の友人から大画家の元アトリエに住むことに。
谷の向かいの豪邸に住む免色という男性から法外な値段で依頼され彼の肖像画を描くことに。
天井裏から大画家が描いたと思われる絵『騎士団長殺し』を発見。
ある夜、アトリエ裏の祠の裏から鈴の音が聞こえてきて、掘り起こすと石室のように整備された深さ3m程の穴の底に仏教で使うような鈴が。
すると『騎士団長殺し』の絵に描かれた騎士団長と同じ格好をした「イデア」が、穴から解放されたとして現れるように。
免色から主人公の絵画教室に通う少女の肖像画を描いてほしいとの依頼が。
彼女は免色の娘の可能性があり、彼女を眺めるべく谷向かいの豪邸を購入したとのこと。
彼女の絵を描きつつ、穴の絵、東北巡り中に出会った謎の男の絵も同時進行で描くことに。
ある日、彼女が失踪。
騎士団長の助言で、施設で療養中の大画家に面会へ。
そこに現れた騎士団長は、彼女を失いたくなかれば絵のように自分を殺せ、と命じてきて、騎士団長を刺殺。
すると、同様に絵に描かれていた「顔なが」が地面の穴から現れ、その穴に入っていくことに。
長い洞窟のような地下世界では、またも絵に描かれた女性や「顔無し」の助けを受け、気づくと祠の穴に。
鈴を鳴らすと免色が助けにきて、彼に救出されます。
主人公が地下世界を巡る間に少女は発見されていました。
彼女は免色宅に忍び込み、出るに出られず4日ほど宅内に隠れていたのでした。
そして、彼女も騎士団長に助言を受けていたのでした。
それらのことは主人公と彼女だけの秘密です。
その後主人公は相手が分からぬ子を身ごもっている別れた妻と復縁。
数年後、アトリエは焼失。
屋根裏に隠した『騎士団長殺し』と謎の男の絵も一緒に。
妻と娘と過ごしていくことを改めて決意して終わり。
もの凄く端折ったあらすじです 笑。
しかし実際は「穴」「すごく金持ちな人」「音楽」「ご飯を作る」「性交」などなど村上春樹ワールドのオンパレードです。
ただ、これまでの小説より「かなり抑えた」感があるかなぁ、と。
個人的に言えば、前作の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』から、自分に向かない小説になったなぁ、と感じています。
今回の『騎士団長殺し』でいえば、これまで以上に性交に関する記述が多く、もう少しでロリコンと勘違いされるような少女の描写、そして何と言っても「南京大虐殺で四十万人」という文章で、それまでの読書熱が一気に冷めてしまいました。
村上春樹ってなんとなくサヨク的な考えをする人だなぁという思いはあったものの、このことで完全に「思想が違う」ということを理解しました。
また、これまではやはりなんとなく、ノーベル賞がもらえたらいいなぁ、と応援する気持ちがあったものの、この作家にノーベル賞は相応しくない、という考えに変わりました。
捏造の歴史を、しかも中国でさえ三十万人と言ってる犠牲者を、さらに増やして四十万人としていることが最たる理由です。
まぁ、村上春樹としては「登場人物が勝手にしゃべった」みたいな理由なのでしょうが、これだけ世界的に影響がある作家の小説ではそう簡単に看過できません。
一方の中国ではこのことで村上春樹礼賛なんだとか。
実際、この本における南京大虐殺なんて、正直あってもなくても良い記述だと思います。
それをあえて架空で捏造の事件を持ち出し、しかも水増しして記述するなんて。
個人的な意味においては、この『騎士団長殺し』が村上春樹と決別する小説になるかもしれません。
続編の第三部も期待されている『騎士団長殺し』ですが、なんか、すごく残念で寂しい読後の感想となってしまいました。
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