ダラスバイヤーズクラブのあらすじネタバレ感想

マシュー・マコノヒーが2014年のアカデミー主演男優賞を受賞した、エイズ患者の実話です。

役作りのため17kgも減量して撮影に挑みました。

もはや別人です 笑。

ここまで変わるなら、最初から痩せている俳優でも良かったのは、と。

 

あらすじは、まだエイズがゲイ特有の病気と思われていた1985年、ロデオ愛好家で女と酒とクスリが大好きな主人公が、エイズによって余命30日と宣告されます。

仲間に見放され、独学で勉強した結果、性交渉で感染したこと、未承認だけどAZTという特効薬が存在することを知ります。

アメリカでは入手できないことを知り、メキシコに渡り入手を試みます。

しかし、メキシコの医師からはAZTは悪い薬であること、有効な薬は他にもあることを知ります。

そこで主人公は未承認だけどエイズに有効な薬を密輸し販売する「ダラスバイヤーズクラブ」を設立します。

弁護士にも相談し、薬そのものを販売するのではなく、400ドルの月額会員に欲しい薬を渡す、という仕組みでした。

商売は大繁盛しますが、FDA(アメリカ食品医薬品局)に目をつけられ、法律まで改正され、窮地に立たされ、ジ・エンド。

余命30日と言われながらも、その後5年を生きることができた主人公でした。

 

なんといっても主演のマシュー・マコノヒーと助演男優賞を受賞したジャレッド・レトの鬼気迫る演技に脱帽です。

主人公の心の動きは、あくまでも推測ですが、当初は「何とか自分は助かりたい」としてメキシコに行き、密輸を始めたのでしょう。

次に、たぶん、「金儲け」だったのではないでしょうか。

しかし、貧困で薬が買えないエイズ患者が多くいること、特効薬と思われていたAZTは業者と行政の癒着によって擦り込まれたインチキであることなどを知り、心が変わっていったのでしょう。

純粋に、エイズ患者を救いたい、政府のウソを暴きたい、と。

ジャレッド・レト演じる、ゲイでエイズ患者で仕事のパートナーが先に逝ってしまい、自らの体調が悪くなっていくことで、その思いはさらに強くなっていきます。

アメリカでは州によって法律が変わるので、当初設立したテキサス州以外で活動できないか、としての訴訟を各州で起こすも、結局FDAの圧力などで裁判は負け続きとなります。

最後は、やはり裁判で負けて失意のドン底で事務所に戻ると、患者を始めとする支援者たちが拍手で迎えてくれる、という思わず涙してしまうシーンとなっています。

エイズにさえならなければ、変わらず酒とクスリと女に溺れた生活を送っていたことでしょう。

当時は「不治の病」だったエイズを発症しながらも、人生なんてどこでどう転ぶかわかりませんし、そのときどういう決断をして、どういう行動をとるのか、がとても重要なんだなあ、と。

重くて、苦しくて、やるせない映画ですけど、必見の映画であることは間違いありません。


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