THE ICEMAN 氷の処刑人のあらすじネタバレと感想
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殺した人数さえわからないくらい多くの人を殺めた殺人鬼の実話です。
犠牲者数は100以上であることはわかっているのですが。
殺人鬼の名はリチャード・ククリンスキー。
この映画、殺人シーンのオンパレード、というわけでもありません。
なんと家族持ちで家族を愛する良きパパを演じてた、というのが映画的でもあったのでしょう。
家族には為替ディーラーと称し、殺し屋稼業で儲けたお金の良い言い訳となります。
主演はマイケル・シャノン。
彼に仕事を依頼するマフィアの親分にはレイ・リオッタ。
彼らほど適役はいなかったのでは、と思えるほどの怪演ぶりです。
当初は親分の依頼により殺し屋稼業を務めていたククリンスキー。
しかし、殺人現場を女のコに目撃されたことから、依頼されなくなります。
高額な収入源を失ったククリンスキー。
幸せな家族の顔が見たいため、同じく殺し屋稼業のロバートとタッグを組みます。
このロバートから、死体を解体冷凍保存することを学ぶわけなんです。
ロバートと組んだことを良く思わない親分に、今度は敵として目をつけられます。
完璧な殺しと完璧な冷凍解体でしたが、段々とほつれが。
敵の親分の手下となったロバートを撃ち殺すと、もう転落は止まりません。
最後は、捜査官のオトリ捜査に引っかかり、御用となります。
エンディングでは「2006年に死去」と流れます。
リチャード・ククリンスキーは1935年生まれで、幼い頃から親の虐待に合っています。
兄は虐待中に死亡、弟は幼女を強姦、殺害し獄中に。
64年に結婚、3児をもうけます。
86年に逮捕されるまでの22年、何百人も殺した、という人物。
なんというか、実話だけに虚しさが残る映画です。
ナゼこんなに多くの殺人を犯さねばならなかったのか。
ナゼ早く足を洗えなかったのか。
心理カウンセラーとか精神科医であれば、ナントカ症候群、と言って終わるんでしょうけど。
映画では、残虐性と家族への愛、フツーの家族像を求めるのに逆行する行動、など対称性を見事に映し出しています。
そして、うまい具合に殺人鬼に同情させるような雰囲気さえあります。
R-15指定で残酷なシーンも多々ありますが、かなり良い映画だと思います。
でも、良い映画、の理由をキチンと挙げられないもどかしさがあります。
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